徹底して山形に密着したフリーペーパー

<荒井幸博のシネマつれづれ>あの頃、君を追いかけた

2018年10月12日
ホロ苦い青春のひとコマ

 高校生の水島浩介は、クラスの仲間たちとバカなことばかりしながら学生生活をエンジョイしていたが、ある日、悪ふざけが度を越して授業を中断させてしまう。激怒した教師は校内一の優等生・早瀬真愛を浩介のお目付け役に任命する。

<荒井幸博のシネマつれづれ>あの頃、君を追いかけた

 真愛は学校のマドンナで、浩介や仲間たちにとっては中学時代から憧れの存在。ある出来事をきっかけに2人の仲は急接近する。真愛は劣等生の浩介の勉強を真摯に指導するようになり、その甲斐あって浩介の成績は上昇する。
 やがて互いに淡い恋心を抱くようになるが、真愛は医師を目指して東京の大学へ、浩介は地元の大学へと離れ離れになってしまうのだった――。

 台湾の人気作家ギデンズ・コーが自伝的小説を自ら映画化、2011年に台湾・香港で空前のヒットを記録した同名作品を長谷川康夫監督が日本を舞台に再映画化。長谷川監督は藤沢周平原作の山形ロケ作品「山桜」「花のあと」「小川の辺」の脚本を手掛けている。
 浩介役を「あゝ、荒野」での敵役で一躍注目された山田裕貴、真愛役を乃木坂46の若きセンター齋藤飛鳥が演じる。先日主演の2人に話を伺う。
 山田さんは「本作の元になった台湾版は自分の中でベスト3に入る好きな作品。プレッシャーより自分が演じられることが嬉しかった。」「浩介が〝凄い人間になりたい〟と夢を語るんですが、自分と同じなので心に刺さりました」などと腹蔵なく話してくれた。
 齋藤さんは「台湾版に感動しただけに私にできるだろうか不安が大きかったです。真愛のようにマドンナ的存在になったことはありませんが、共感する部分が多かった」とニッコリ。
 主演2人に加え、松本穂香、佐久本宝、國島直希、中田圭祐、遊佐亮介らの瑞々しい演技、そしてポニーテール、坊主頭、ワイシャツの背中に就いたインクの染み、堤防で語り合う夢の話――。登場する様々な要素がまぶしく、中高年世代の琴線にも触れる作品。


<荒井幸博のシネマつれづれ>あの頃、君を追いかけた
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜15時)を担当。