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《セピア色の風景帖》 第121回 一貫清水橋

2018年9月14日
 山形市で国道112号と国道286号が交わる鉄砲町交差点の南側、112号が恥川(はずかしがわ)を跨ぐ荒楯地内に時代がかった橋が姿を残している。銘標が失われているため確認は難しいが、橋の名を「一貫清水橋」という。
《セピア色の風景帖》 第121回 一貫清水橋

 昭和初期、112号は産業道路として整備された。昭和5年当時の写真には、切り開かれた道の端にこの橋の真新しい親柱が写っている。
 それから約90年近くが経過、現在は親柱の風化も進み、高欄も鉄柵に置き換わっている。それでも交通量の多いこの地にこれだけ古い橋が現役として残っていることは驚きである。保守が丁寧になされていることに加え、もとの造りがそれだけしっかりしているということだろう。

 のちに国道13号を経て112号となるこの産業道路が上山方面まで延伸されるまでには、さらに3年以上の歳月を要した。県内の最重要幹線道路として機能し、ここより北(秋田・青森方面)に行く車も、南(福島・東京方面)に行く車も、ほぼ必ずここを通ったのである。
 後年、山形バイパスの完成にあたり、その名と役目を譲渡したが、現在でも重責を担っていることに変わりはない。 (F)