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医学のうんちく/同性愛(中)

2018年9月14日
 同性愛者になる理由は幾つかの説があります。

妊娠中の母親のストレス

 母親が妊娠中に極度のストレスを受けると、胎児の精巣で作られる男性ホルモンが減少して脳が男性型にならず、生まれてきた男の子が同性愛になる可能性があります。
 このことは、母親が極度のストレス下にあった戦時中、生まれてきた男の子に同性愛者が多いとされることからも裏づけされます。

医学のうんちく/同性愛(中)

男性ホルモンが影響?

 他方、米国で流産予防のため男性ホルモンと同様の作用を持つ合成ホルモンが使われた時期がありましたが、この薬品を使った母親から生まれた女の子は同性愛的傾向を示しました。
 2つのことから、胎生期に浴びる男性ホルモンの多寡が性指向に影響するという説があります。

兄の数が多いと…。

 一方、2006年のカナダ・ブロック大学の研究によれば、男性同性愛者には兄の数が多く、兄が1人増えるごとに同性愛者になる確率は33%増加するとしています。
 母親が男の子を妊娠した場合、Y染色体由来の物質を異物とみなし、男の胎児の脳を免疫的に攻撃することがあります。男の子を多く身ごもるほど攻撃の確率は高くなり、脳の男性化が阻害される確率も高くなるのかもしれません。

遺伝説も

 遺伝によるものという説もあります。1993年に米国立衛生研究所が男性同性愛者の家系を調査したところ、母方の家系に同性愛者が多いことが分かりました。
 母親側の遺伝子であるX染色体上に男性を同性愛者にする遺伝子があるのではないかと推測して調べた結果、その遺伝子がX染色体の最末端部分に存在することを突き止めたというのです。


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医学のうんちく/Y染色体のお話(中)
山形徳洲会病院長
笹川 五十次 (ささがわ・いそじ)
プロフィール
1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。