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《セピア色の風景帖》 第120回 旧国立酒田米穀倉庫

2018年8月10日
 1926年(大正15年)、国の政策として食料備蓄のために建てられたのが酒田米穀倉庫だ。
《セピア色の風景帖》 第120回 旧国立酒田米穀倉庫

 東北唯一の国立倉庫で、この地が選ばれたのは米どころの庄内平野に位置することに加え、1万2000坪にも及ぶ土地が本間家から提供されたこともあったようだ。

 構内には鉄道の引き込み線の跡があり、貨車が直接倉庫の前に横付けできるようだったことがうかがえる。
 大正から戦時を経て平成4年まで現役として機能していたこともあり、各所にそれぞれの時代の名残りが散見された。右から左に向けて書かれた看板文字、空襲を少しでも免れたいと施された壁の迷彩塗装の跡、錆びたシャッターの電動装置の痕跡……。

《セピア色の風景帖》 第120回 旧国立酒田米穀倉庫

 現在は庄内有数の観光スポットとして人気を集める山居倉庫に匹敵する貫禄の建物だったが、市内に2つの倉庫遺構は不要というわけか、2014年(平成26年)ごろには解体されてしまい、現在では見ることはできないのが残念だ。 (F)