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<荒井幸博のシネマつれづれ> 未来のミライ

2018年7月27日
時空超えた家族の物語

 「時をかける少女」「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」など、今や世界的に評価の高い細田守監督の新作アニメーション映画。 

<荒井幸博のシネマつれづれ> 未来のミライ

 都会の片隅の小さな家で暮らす4才の男の子、くんちゃんに妹ができた。名前はミライ。これまで一身に浴びていた両親の愛情をミライちゃんに奪われ、嫉妬から駄々っ子になるくんちゃん。
 そんなある日、くんちゃんは自分のことを〝お兄ちゃん〟と呼ぶセーラー服姿の少女と出会う。彼女は未来から来た妹のミライだった――。
 ミライに導かれ、時を超えた家族の物語へと旅立つくんちゃん。それは小さなお兄ちゃんの大きな冒険の始まりだった。幼いころの母、青年時代の曽祖父との出会いなど不思議な旅を続けていくうち、甘えん坊のくんちゃんは少しづつ成長していくのだった。

 本作は5月の第71回カンヌ国際映画祭と6月のアヌシー国際アニメーション映画祭でも上映され、世界約60カ国での配給も決まっている。
 細田監督は6年前に男の子、3年前に女の子ができ、長男を見ていて創作意欲をかき立てられたという。
 日本アニメの巨匠・故高畑勲監督が「火垂の墓」で4歳の節子、宮崎駿監督が「となりのトトロ」でやはり4歳のメイを主人公に据えたのはともに50歳前後で、今から30年前。「先の見えない不透明な今だから作った」と語る50歳の細田監督には2人の先達への意識があったという。

 くんちゃんの声を担当する上白石萌歌さんは細田作品のファンで、ミライの声優オーディションを受けたところ、細田監督から「くんちゃんをやってみない?」と勧められてビックリしたとか。
 ミライの声は黒木華、両親は星野源と麻生久美子、祖父母を役所広司と宮崎美子。そして福山雅治。
 家族はもちろん、友人、恋人、1人で観ても楽しめる。山下達郎のオープニングとエンディング曲が夏にピッタリ!


<荒井幸博のシネマつれづれ> 未来のミライ
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜夜15時)を担当。