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税金のABC/(100)民法(相続法)の改正

2018年7月27日
 高齢化社会が進むなか、相続に関する民法が7月に40年ぶりに改正されたのをご存知ですか?

死ぬまで自宅に

 改正民法の柱は「配偶者居住権」の創設です。これは残された配偶者が、相続の対象になる自宅に死ぬまで住み続けることができる権利です。
 改正民法では自宅の権利を「所有権」と「居住権」に分けました。所有権が相続人や第三者に渡っても、配偶者は居住権を取得すれば自宅に住み続けることができます。
 しかも居住権は所有権より評価額が低いため、その分、預貯金などの遺産を多く相続でき、老後の生活資金に余裕が生まれます。

税金のABC/(100)民法(相続法)の改正

短期居住権も創設

 配偶者居住権とは別に「短期居住権」も創設されました。これは所有権も居住権も手放した場合でも、配偶者が直ちに自宅からの退去を求められるような事態を避けるための措置で、最低6カ月間は自宅に居住する権利が与えられます。

結婚20年以上なら

 また結婚して20年以上の夫婦であれば、生前贈与や遺言書で贈られた自宅は遺産分割の対象から外すことができるようになりました。
 分割対象から外れるということは、配偶者は自宅を取得したうえ、残された財産について法定相続分を取得できることになります。
 税法上も婚姻期間20年以上の夫婦に対して2000万円までの不動産贈与を無税にする「おしどり特例」があり、これは民法版のおしどり特例といえるでしょう。

おしどり夫婦を優遇

 居住権とおしどり特例についてみてきましたが、この2つには明確な違いがあります。居住権があくまで相続財産の一部に含まれるのに対し、おしどり特例はまるまる相続財産から除外される点です。
 配偶者の生活を保護するという制度の目的は共通していますが、20年以上連れ添ったおしどり夫婦を優遇している点が改正民法の特徴です。


税金のABC/(100)民法(相続法)の改正
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山形相続サポートセンター
(運営:税理士法人 あさひ会計)
税理士 菊地 克子