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医学のうんちく/男と女の違い~染色体からの考察~(上)

2018年7月13日
 人間が男として生まれるか、女として生まれるかは染色体によって決まります。

遺伝子の性分化

 人間の染色体は46本あり、そのうち2本はX染色体、Y染色体と呼ばれる性染色体です。精子はX染色体かY染色体のどちらか1本、卵子が持っている性染色体は常にX染色体です。
 X染色体を持った精子と卵子が合体すると受精卵はXXの組み合わせで女に、Y染色体を持った精子と卵子が合体すると受精卵はXYの組み合わせで男になります。これを「遺伝子の性分化」といいます。

医学のうんちく/男と女の違い~染色体からの考察~(上)

体の性分化

 受精卵は胎児へと成長していきますが、ある時期まで男でも女でもない未分化な状態にとどまっています。それがやがて男と女に区分されるようになります。これを「体の性分化」と呼んでいますが、そのメカニズムをご説明しましょう。

受精後6週目から

 受精後6週目になると、Y染色体上の性決定遺伝子が働きだし、「精巣をつくれ」という指令を出します。すると未分化の生殖腺が精巣に分化し、7週目には男性ホルモンを作って胎内に放出します。
 胎児はこの時に放出される大量の男性ホルモンをシャワーのように浴びることになります。この男性ホルモンにより、陰茎などの男性生殖器が形成されます。
 一方、XX染色体をもつ胎児では「精巣をつくれ」という指令が出ないため、生殖腺は卵巣に分化して女性生殖器が形成されます。

哺乳類の基本型はメス

 哺乳類の性分化の基本型はメスで、Y染色体の指令で精巣や男性ホルモンが作られる過程がなければ未分化の胎児はメスへ分化します。オスになるには、メスへの分化を止めてオスへの分化を始めなければいけません。


医学のうんちく/男と女の違い~染色体からの考察~(上)
医学のうんちく/Y染色体のお話(中)
山形徳洲会病院長
笹川 五十次 (ささがわ・いそじ)
プロフィール
1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。