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税金のABC/(99)出国税

2018年6月22日
 来年1月7日から、日本から出国する人を対象に1人1000円の税金が徴収されることをご存知ですか?――。

27年ぶりの新国税

 この税金は「国際観光旅客税」、別名「出国税」と呼ばれます。国税で恒久的な税目が新設されるのは1992年の「地価税」以来、実に27年ぶりのことです。
 税金は国籍を問わず課税され、航空運賃や乗船運賃に上乗せして徴収されます。航空機や船舶の乗員、トランジットで24時間以内に他国へ向かう乗り継ぎ客、2歳未満の幼児などは対象外です。

税金のABC/(99)出国税

税収は400億円超に

 同様の税金はフランス、オーストラリア、韓国なども導入しており、税額は日本と同等かそれ以上。昨年の訪日客と日本人出国者は約4100万人で、これをベースに考えれば年間約410億円の税収になります。

訪日客増のインフラ整備

 出国税導入の背景には、訪日外国人の増加や、2年後に迫った東京五輪があります。政府は2年後の訪日客を4000万人に増やす目標を掲げています。
 そのネックになっているのが外国人に読めない案内表示や貧弱なネット環境、海外への情報発信力の不足など。こうした観光インフラを整備するため、財源として出国税が導入されたのです。

国外転出時課税とは別

 実は出国税という名称はこれが初めてではなく、2015年に導入された「国外転出時課税制度」の別名として使われていました。
 この制度は、時価総額1億円以上の有価証券などを持つ富裕層を対象に、海外移住する際には有価証券などを売却したものとみなし含み益に所得税を課すものです。

使い道のチェック

 今回の出国税はそれとはまったくの別物。ただ過去には特定の目的に使われる税金が「無駄の温床」になったケースもあり、使い道のチェックが求められそうです。


税金のABC/(99)出国税
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税理士法人 あさひ会計
税理士 髙橋 克徳