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天童市農業協同組合 組合長 金平 芳己さん

2018年6月8日
金平 芳己(かねひら・よしみ) 1947年(昭和22年)天童市生まれ。生家は代々続く農家で、県立村山農業高(現在の村山産業高)卒業後に就農、長ネギ、後に赤根ホウレンソウの栽培も手がける。2003年に天童市農業協同組合理事、15年から代表理事組合長。天童市農協の子会社のジェイエイてんどうフーズ、天童青果市場、くみあい燃料センター3社の代表取締役会長も勤める。70歳。
天童市農業協同組合 組合長 金平 芳己さん

組織のやる気を引き出すため
  「今やる」「俺がやる」の気概で

――長ネギ栽培がスタートなんですか? 

ネギ栽培で農協トップに

 「実家は昔から稲作、養蚕、肉牛なんかをやってたんだげど、俺はダメだったのよ。稲作は大変そうだし、毛虫が苦手で養蚕も嫌。牛の世話も性格的に無理(苦笑)」
 「それで野菜。ただピーマンやトマトなんかの果菜類は休みがないから、省力化できる長ネギにした。天童は何といってもサクランボやラフランスなど果樹栽培が主流で、長ネギに特化した農家なんて俺だけだった」
 「やってみると結構もうかって、俺に刺激されて仲間も50人くらい増えた。それで農協にネギ部会を作り、中国視察なんかにも行ってきたのよ」
――農協の理事、組合長と上り詰めて。「行動力が凄い」と伺ってます。
 「いやいや」
――組合長になると自動的に3つの子会社の会長になるわけですか?
 「そうだっな。子会社には実務に長けた社長がいて、省庁の大臣と事務次官のような関係ったな」
――ジェイエイてんどうフーズが大型の設備投資をするとか。

30億円の設備投資

 「てんどうフーズの年間売上高は144億円で8割がコメの販売。ただ矢野目にある今の精米施設は老朽化していて、天童インター産業団地に新しい精米施設を作んのよ。事業費は30億円で稼動は来年秋の予定だね」
 「売上高の残る2割は果実などの直販事業。ふるさと納税の取り扱いで直販も伸びてて、作業効率を上げるためにも新施設内に低音ピッキング場を備えることにした」
――それらは最終的には金平さんの決断で?
 「まあ、そうったね。大型投資にはリスクも伴うげど、社員のやる気を引き出すためには必要なこと。『今やらないでいつやる』『俺がやらないで誰がやる』といった気概でやってるったな」
――カッコいいなあ。

何事も率先垂範

 「営業だって先頭に立ってやる。コメの売り上げを伸ばすには量の確保が必要で、最近も集荷のために青森まで車で往復1000キロ、日帰りで行ってきたんだっけ」
――下で働く人も大変そうだな(苦笑)
 「何事も率先垂範が大事ったな。それと長ネギを始める時もそうだったげど、未知の分野に挑戦して、道を開拓していくのが好きなんだろうね」

農協合併には?

――その行動力で山形農協出身の長澤豊さんみたく、全農の会長になるってのはどうですか?
 「ないない(笑)。そもそも俺、全農や全中が主導する農協合併の効果には疑問を持ってるから。合併しても組合員にメリットがないとね」