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医学のうんちく/ED(勃起不全) (上)

2018年6月8日
 ED(勃起不全)に関してはこれまでに何度か紹介してきましたが、今年2月に「ED診療ガイドライン」が改訂されましたので改めて取り上げることにしました。

満足な性交が行えず

 EDとは勃起機能の低下を意味する「Erectile・Dysfunction」の略で、「性交時に十分な勃起が得られないため、あるいは十分な勃起が維持できないため満足な性交が行えない状態」とされています。

医学のうんちく/ED(勃起不全) (上)

3タイプがあります

 EDのタイプは身体的なもの、精神的なもの、その両方が混合したものの3つに大別されます。
 EDの発症率は年齢とともに上昇します。統一的なデータはありませんが、一般には40歳未満1~10%未満、40歳代2~15%、60歳代20~40%、70歳以上50~100%と推定されています。
 50歳代は最もバラつきが大きい年代で、40歳代と60歳代の中間の発症率とされています。

その原因は様々

 EDの原因は実に様々です。列挙してみますと、加齢、糖尿病、肥満、運動不足、狭心症などの心疾患、高血圧、喫煙、男性ホルモンの低下、慢性腎臓病や排尿障害などの下部尿路症状、中枢神経および末梢神経疾患、骨盤部の外傷と骨盤内手術、ストレスやうつ症状、薬剤、睡眠時無呼吸症候群――などが挙げられます。脂質異常症は危険因子から除外されています。 

悪影響を及ぼす薬は?

 勃起機能に悪影響を及ぼす薬剤としては降圧薬、抗うつ薬、前立腺肥大症治療薬、非ステロイド抗炎症薬などがあります。特に降圧薬は多くのタイプにおいて悪影響を及ぼすと考えられています。
 高血圧と降圧薬はいずれも危険因子であるため、高血圧患者さんに対する薬物治療開始前と経過観察中には勃起機能のチェックが推奨されています。


医学のうんちく/ED(勃起不全) (上)
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山形徳洲会病院長
笹川 五十次 (ささがわ・いそじ)
プロフィール
1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。