徹底して山形に密着したフリーペーパー

山形県酒類卸(寒河江市) 社長 新田 公孝さん

2018年5月25日
新田公孝(にった・きみたか) 1950年(昭和25年)新庄市生まれ。新庄北高から立教大社会学部に進み、卒業後の75年ニッカウヰスキー入社。一貫して営業畑を歩み、課長、部長を経て97年東北支社長。2002年に親会社のアサヒビールに転籍、2005年から08年まで山形支店長を務めた。10年7月、東北統括本部副本部長を最後にアサヒビールを退職、9月に山形県酒類卸専務就任、12年から社長。67歳。
山形県酒類卸(寒河江市) 社長 新田 公孝さん

IWC県内開催を契機に
 販路拡大、輸出にも取り組む

――山形県酒類卸ってどんな会社なんですか?

減収下でも利益率向上

 「1949年(昭和24年)、県内の酒造メーカー約70社と1500社にのぼる県内の酒販店が共同で設立した協同組合が始まりです。県内酒造メーカーから日本酒を仕入れ、県内酒販店に販売するのが主な業務でした」
 「ただ協同組合だと販売先が限られてしまう。組合員以外の大手スーパーや県外に販路を拡大するため、2004年に株式会社に組織変更して現在に至っています」
 「年間売上高は110億~120億円。消費者のアルコール離れで漸減傾向にはありますが、ここ数年、利益率は上昇しています」
――??…。どうやったらそんな芸当が…。

日本酒に注力

 「実は当社は日本酒だけでなく、ビールやウイスキー、ワインといったすべての酒類、食品も扱っています。扱い品目によって利益率は異なるわけで、高い利益率の品目にシフトしていくのが利益率向上のカギです」
 「苦戦しているのはビール。かつては宴会というと『とりあえずビールから』でしたが、今の若い人たちはリキュール、サワー、はてはウーロン茶などバラバラ。多様化の時代ですね」
 「逆に利益率が高いのは日本酒。当社の場合、稼ぎ頭になっているのが20年続けている頒布会。酒造メーカーさんが毎年、趣向を凝らした日本酒を提供してくれるのが強みになっています」  「県工業技術センターさんの協力もいただき、毎年6000口近くを販売しています。単一の卸会社の頒布会としては全国最大規模でしょう」
――世界最大のワイン品評会「IWC」の日本酒部門の審査会も山形で開催されましたね。

GI指定も追い風に

 「9部門のうち3部門で県産酒が最高賞というのは素晴らしい。審査は銘柄を伏せて行われており、開催県だからといって特別扱いされたわけじゃないんだから」
――今はやりの〝忖度〟じゃないと(苦笑)
 「IWCでの成果を足がかりに、県産酒の魅力を県外や海外に広くアピールしていきたい。県産酒が地理的表示(GI)で『山形』の指定を受けたことも追い風で、輸出にも積極的に取り組んでいます」

「酒びたりの人生」

――話は変わりますが、ウイスキーに始まりビール、日本酒ときて、酒を究めた人生ですね。
 「究めたというか、酒びたりの人生ですわ。思い出すのはニッカ時代。1日30店は飲み歩きましたね、ハハハ」
――ボクはせいぜい3店ですね(苦笑)