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医学のうんちく/喫煙と精子

2018年4月13日
 たばこは血管を収縮させるニコチン、酸素欠乏状態を引き起こす一酸化炭素、催奇形性のあるベンツピレン、毒性の強いシアン化合物が含まれています。

喫煙→精子数減少

 2016年、米セントジョセフ大学の研究チームが5865名を対象とした20件の研究報告を解析し、喫煙男性の1ミリリットル当たりの精子数は非喫煙男性に比べ972万個少なく、運動率は3.48%、精子の正常形態率は1.37%低下していると発表しました。
 またニューヨーク州立大バッファロー校の研究チームは05年、たばこを1日4本以上2年以上吸っている男性は、非喫煙男性に比べ精子が卵子に結合する能力が約75%低下することを報告しています。

医学のうんちく/喫煙と精子

EDになる可能性も

 精子はニコチン受容体を持っているため、ニコチンを認識することで受精能力が低下するとされます。喫煙による酸化ストレスも精子のDNAを傷つけ、受精能力の低下や流産の増加を引き起こすと考えられています。
 また血管収縮作用を持つニコチンは陰茎への血流障害も起こすため、40歳代で1日10本以上たばこを吸う男性は勃起不全(ED)になる可能性があります。

精子の運動率も低下

 中国広州医科大学の研究チームは14年、1日2箱以上5年以上吸っているヘビースモーカーは非喫煙男性よりも精液中のニコチン濃度が高いことを報告しています。ニコチン濃度が高いほど精子数が少なく、運動率や生存精子率も低いことが分かりました。
 へビースモーカーは、精子発達に重要な役割をするたんぱく質のプロタミンも減少していました。

百害あって一利なし

 喫煙は精子に悪い影響しか及ぼしません。妊活している方はくれぐれもご注意下さい。


医学のうんちく/喫煙と精子
医学のうんちく/Y染色体のお話(中)
山形徳洲会病院長
笹川 五十次 (ささがわ・いそじ)
プロフィール
1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。