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《セピア色の風景帖》 第115回 真室川森林鉄道

2018年3月23日
 林業が盛んだった昭和30年代まで、真室川町のJR釜淵駅から約30キロ西の大川入地区まで、伐採した木材を運ぶ真室川森林鉄道が活躍していた。
《セピア色の風景帖》 第115回 真室川森林鉄道

 秋田杉や青森ヒバなどの美林で知られる東北にあって、山形では森林鉄道はさほど発展しなかったが、3本のトンネルを有するこの路線は県内随一のものであった。
 昭和初期から、国有林から伐採した杉を積み、小さな機関車で引っ張って釜淵駅まで運んで国鉄の貨車に受け渡していた。

 その痕跡を辿って線路跡を歩くと、行く先に黒々としたトンネルの坑口が現れる。照明器具を持ち内部に入ると、数十メートル先には土砂の山が築かれ、通過は不能であった。
 トンネルを出て地区の農家に話をうかがうと、廃線にする際に危険防止等の理由から人為的に埋め立てたのだという。
 この時は確認できなかった残りの2本のトンネルも同様だという。架かっていたはずの小又川の橋梁も取り壊され、現在は見当たらない。

《セピア色の風景帖》 第115回 真室川森林鉄道

 廃業は昭和37年。当時使われていた機関車だけは現在でも動体保存され、平岡地区の「まむろ川温泉梅里苑」の敷地内で余生を過ごしている。 (F)