徹底して山形に密着したフリーペーパー

<荒井幸博のシネマつれづれ> トレイン・ミッション

2018年3月23日
リーアム・ニーソンに注目

 10年勤めた会社から突然リストラされた60歳のマイケル。いつもの電車で帰路につくが、車内で見知らぬ女性から「電車が終点に到着するまでの間に、100人の乗客からある1人の人物を見つけ出せば多額の報酬を払う」と持ちかけられる。

<荒井幸博のシネマつれづれ> トレイン・ミッション

 妻と息子が人質に取られていることも分かり、女性からの依頼を受けざるを得なくなったマイケルは、絶体絶命の状況下で1人の人物を見つけ出そうとする。
 走る電車の閉ざされた空間で、その人物は誰なのか?女性の正体は?ミッションの目的は何なのか?――ヒッチコック張りのサスペンスと激しいアクション、そして感動。まさに第一級のエンターテイメント作品。

 主演はリーアム・ニーソン(65)。映画デビューは30歳目前の1981年で、一般に知られるようになったのは「シンドラーのリスト」(93)で主役のシンドラーを演じてから。同作品でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされて以降、「ロブ・ロイ」「マイケル・コリンズ」「ラブ・アクチュアリー」などでの演技で押しも押されぬ演技派俳優と評価されるようになった。
 その一方、2008年から始まった「96時間」シリーズでは家族を守る無敵の父親を55歳にして熱演し、アクションスターとしても認知されるようになっている。
 アクションスターから演技派への転向はクリント・イーストウッドの例を挙げるまでもなく珍しいことではないが、逆のコースを歩む俳優は稀有。192センチの長身、太い首に支えられた小さな形のいい頭、クールな顔立ちに、私は「ゴルゴ31」を演らせてみたいと思ったものでした。

 そんな彼が65歳になっても激しいアクションに挑んだのが本作。
 実生活では2009年、最愛の妻を45歳の若さで亡くし深い悲しみに沈んでいたが、本作も「96時間」シリーズのように夫として父として家族を守るべく凄絶な闘いを見せてくれる。


<荒井幸博のシネマつれづれ> トレイン・ミッション
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜夜15時)を担当。