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<荒井幸博のシネマつれづれ> 大杉 漣さん

2018年3月9日
たくさんの思い出に感謝
<荒井幸博のシネマつれづれ> 大杉 漣さん

 名優・大杉漣さんが2月21日未明、急性心不全で急逝した。享年66。

 漣さんとの出会いはあきた十文字映画祭でインタビューをお願いした20年前。サングラスをかけ、強面で近寄り難い雰囲気だったが、話をしてみると謙虚で気さく。何より笑顔が素敵だった。以来、私が担当するラジオ番組に何度か電話出演してもらったり、県内で催されるトークショーにも足を運んでもらった。
 昨年開催の山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映された「世界一と言われた映画館 酒田グリーン・ハウス証言集」のナレーションを務め、酒田大火からちょうど411年目に当たる昨年10月29日には酒田港座でライブを行うなど、いつも山形を意識の片隅においてくれていたように思う。

 漣さんを羽黒山にお連れした時は国指定文化財の大杉と遭遇。その大杉が文化財に指定されたのが漣さん誕生の1951年9月だったことに2人で驚いたものだ。
 また米沢市で故・伴淳三郎さんが誘致した日本芸能神社にご一緒した時は、目の前の階段から白蛇が出てきて驚いたが、漣さんは「伴淳さんが歓迎してくれているのかなあ」と喜んでいた。
 2013年7月、シベールアリーナに主演舞台「象」のためいらっしゃり、漣さんと共演者の羽場裕一さん、奥菜恵さん、木村了さん、山西惇さんらと食事をご一緒させてもらったのも忘れられない思い出になった。

 先月もメールのやり取りをしたばかり。それだけに漣さんの死はなかなか受け止められず、その存在感の強さから、いつか甦ってくれるのではないかと思ってしまう。
 今はただ、たくさんの思い出を残してくれた漣さんに感謝の念でいっぱい。大杉漣さん、本当に有難うございました。

 漣さんゆかりの「世界一と言われた映画館」は4月14日、酒田市総合文化センターで、フォーラム山形、鶴岡まちなかキネマで4月20日~5月3日に上映されます。


<荒井幸博のシネマつれづれ> 大杉 漣さん
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)
1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜夜15時)を担当。