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<荒井幸博のシネマつれづれ> 空海 KU-KAI 美しき王妃の謎

2018年2月23日
空海は染谷将太だ!

 日本と中国の共同製作による、壮大なスケールの絢爛豪華(けんらんごうか)な歴史サスペンスミステリー。

<荒井幸博のシネマつれづれ> 空海 KU-KAI 美しき王妃の謎

 今から1200年以上前、遣唐使として中国・唐に渡った若き天才僧侶・空海は、後に詩人「白居易(はくきょい)」として大成する官吏の白楽天と出会い、交流を深めていく。
 世界最大の都・唐の長安では当時、皇帝を始めとする権力者が次々と奇妙な死を遂げる怪事件が起き王朝を震撼(しんかん)させていた。そこには必ず黒猫の存在があった。

 空海が白楽天と一連の事件を探っていくうち、約50年前に唐に渡ったもう一人の日本人・阿倍仲麻呂の存在を知る。仲麻呂が仕えた玄宗皇帝の時代、絶世の美女と謳(うた)われた楊貴妃がいた。
 皇帝の寵愛(ちょうあい)を一身に受けた楊貴妃がなぜ非業の死を遂げなければならなかったのか?楊貴妃の死と一連の権力者の死はどう結びつくのか?そして仲麻呂は何を知っていたのか?――。
 
 原作は「陰陽師シリーズ」などのベストセラー作家・夢枕獏の小説「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」。1987年に執筆を開始し、17年という歳月をかけて完結させた総ページ数1900を超え、全4巻となる大作。
 大作の映画化にあたっては、襄陽(じょうよう)市に東京ドーム8個分に相当する367000ヘクタールの土地に6年かけて長安を完全再現。構想8年、総製作費150億円!
 監督は1984年の「黄色い大地」発表以来、93年には「さらば、わが愛/覇王別姫」でカンヌ国際映画祭パルム・ドール賞を受賞するなど世界の映画界で誰もが認める陳凱歌(チェンカイコー)氏。

 空海を染谷将太、白楽天をホアン・シュアン、楊貴妃に台仏ハーフ美女チャン・ロンロン、阿倍仲麻呂を阿部寛が演じたほか、日本と中国・台湾の名優がズラリと並ぶ。
 RADWIMPSの主題歌「Mountain Top」が流れるラストは、本作の中国語タイトル「妖猫伝」にうなずきちょっぴり涙した。 


<荒井幸博のシネマつれづれ> 空海 KU-KAI 美しき王妃の謎
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)
1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜夜15時)を担当。