徹底して山形に密着したフリーペーパー

大蔵村観光協会 会長 木村裕吉さん

2018年2月23日
木村裕吉(きむら・ゆうきち) 1956年(昭和31年)大蔵村肘折温泉生まれ。集落唯一の学校だった旧肘折小中学校から山形東高に進み、山形大農学部を卒業した79年に山形県農業協同組合中央会へ。39歳だった96年、家業の温泉旅館「木村屋旅館」を継ぐため中央会を退職、99年社長就任。大蔵村観光協会会長は2009年から。06年からは「肘折いでゆ館」「カルデラ温泉館」の運営に当たる第三セクター・肘折温泉郷振興株式会社の社長も務める。61歳。
大蔵村観光協会 会長 木村裕吉さん

肘折、記録的大雪で全国区に
 逆手にとり温泉をPRしたい

――肘折温泉、今や全国区ですね。

降雪量、過去最高に

 「もともと肘折温泉は日本有数の豪雪地帯。3メートルを越える積雪はザラで、過去にも全国ニュースでしばしば紹介されてはきましたが…」
 「それでも今年の雪にはビックリ。2月12日の正午に今季初めて4メートルを超えたと思ったら、同日午後5時には過去最高だった414センチを超えて416センチ、さらに13日午後9時には445センチまで!『もう勘弁してくれ~』って感じで(苦笑)」
――生活も大変で?
 「雪下ろしに追われてます。例年だと1シーズン5回ほどですが、今年は7回はやってるかな」
――でも「ドカ雪割」がこれも全国ニュースに。

「ドカ雪割」が脚光

 「17の旅館が参加して雪が降るほど宿泊料が安くなる『ドカ雪・大雪割キャンペーン』を始めたのは2年前。ただ過去2年は少雪で、恩恵を受けた観光客はゼロ。これではマズいと今年から内容を変えたところ、いきなりの大雪で」
 「今年は24時間降雪量が30センチ以上を観測することが条件。それ以上なら3段階ごとに宿泊料が割引に。積雪量が過去最高を更新すれば1泊分の宿泊料が無料になります」
 「これまでに割引の対象になった人は約200人、無料になった人は約140人。無料は今のところ14日の1日だけですが、当時は『過去最高の更新が続いて、無料の日がずっと続けばどうしよう』と不安もよぎりました(苦笑)」

温泉PRに大貢献

――肝心のPR効果は?
 「ありました。各方面で取り上げられたおかげで問い合わせが急増し、週末の17~18日には実際、これまでにない数の人が来てくれたかな」
 「若い人、遠方の人が多かったです。雪壁をバックに記念写真をとる女子も。〝インスタ映え〟するんでしょうかね」
――以前から雪を逆手にとった集客キャンペーンには積極的でしたよね。
 「雪壁にろうそくを灯す『幻想雪回廊』、ギネス認定を受けたこともある巨大雪だるま『おおくら君』制作、雪を掘り進める『地面出し競争』等々。雪は生活には厄介なところもありますが、肘折温泉にとっては貴重な観光資源ですから」
――前向きだなあ。

温泉風情を訴求

 「肘折温泉の開湯は約1200年前。月山への登山口であると同時に、江戸中期までは湯治場として栄え、朝市も盛んに。時代の変化で湯治客は減りましたが…」
 「湯治場風情は今も残っています。雪をきっかけに来ていただければ、肘折をきっと好きになってもらえると思います」