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医学のうんちく/携帯電話と人体への影響

2018年2月9日
 携帯電話は現代の生活必需品ですが、人体への影響はあまり周知されていないようです。

脳腫瘍やがんにも

 2006年にスウェーデンの研究チームは、携帯電話の累積通話時間が2000時間を超えると脳腫瘍を発生する危険率が3・2倍に達すると報告しています。
 国際がん研究機関は10年、携帯電話を1640時間以上使用すると使用しない場合に比べ悪性脳腫瘍の発生が1・4倍になると報告。翌11年には携帯電話を使用していると、限定的ではあるものの、発がん性が疑われることを発表しました。

医学のうんちく/携帯電話と人体への影響

特に子どもに悪影響

 子どもの頭蓋骨や皮膚は成人よりも薄いため電磁波を通しやすく、一定時間内に吸収する電磁波の熱量(比吸収率:SAR値)は大きくなります。5歳児の脳は成人の4・3倍、10歳児の脳は2・6倍の電磁波を吸収します。
 SAR値が高くなるほど健康被害は大きく、一般にSAR値はスマホの方がガラケーよりも高くなります。

欧州では規制も

 フランスでは15年、保育園などでの無線を禁止する法律が制定されています。子どもに対する携帯電話使用制限や販売禁止は欧州を中心に行われています。英国の調査では、携帯電話使用禁止により学力の向上が認められています。
 17年の米国での調査では、8歳未満の子どもが携帯電話を使用する時間は、13年の1日平均15分から48分に増えており、睡眠障害、行動上の問題、肥満との関係が指摘されています。

電磁波を防ぐには

 携帯電話の電磁波の影響は、使用頻度、使用時間、耳までの距離に依存します。
 使用頻度や時間を減らすことが最も重要です。身体から離して使用するために、イヤホンマイクやスピーカーフォンの利用も有効です。


医学のうんちく/携帯電話と人体への影響
医学のうんちく/Y染色体のお話(中)
山形徳洲会病院長
笹川 五十次 (ささがわ・いそじ)
プロフィール
1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。