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《セピア色の風景帖》 第113回 善宝寺駅跡

2018年1月26日
 昭和50年に廃止になった庄内交通湯野浜線で唯一保存されることになったのは善宝寺駅であった。観光客が集まる同線随一の立地を生かし、鉄道記念館を作ることになったのである。
《セピア色の風景帖》 第113回 善宝寺駅跡

 もともと全国から信心を集め、訪れる人が多かった善宝寺門前にあったことや、平成の初めごろに善宝寺池の「人面魚」がマスコミで話題になったこともあり、初期には入場者も多かったと聞いている。
 休日には保存されている電車の車両に乗り込んだり、土産物を買い求めたりする人々が記念館周辺にあふれていたこともあった。
 当時販売されていた人面魚まんじゅう、人面魚サブレ、人面魚のれんなどを買った覚えのある方もいるだろう。

《セピア色の風景帖》 第113回 善宝寺駅跡

 だが人面魚ブームが去り、古くからの熱心 な信者が減少してしまうと記念館の営業日は次第に少なくなり、ついには閉館になってしまった。
 車両の保護のためにかけられていた屋根もいつしか綻び、構内に雑草が生い茂る様子は、電車が走っていた往時が遠くに消えつつあることを示していた。 (F)