徹底して山形に密着したフリーペーパー

医学のうんちく/減少する精子数

2017年12月8日
 1992年、「過去50年間で精子数が半分になっている」と喝破(かっぱ)したのはデンマークのN・スカケベック博士でした。イスラエル・ヘブライ大学の研究チームも昨年、過去40年間で精子数が半減していることを報告しています。

日本では深刻な問題

 出生率低下、さらには人口減少につながりかねない精子数の減少は深刻な問題です。特に少子高齢化が急速に進む日本では、以前に紹介した避妊具メーカーの国際調査でも明らかなように、「回数」の少なさ自体も世界各国と比べて際立っているのですから……。
 ただ精子数減少の原因の究明は難しく、地球温暖化、環境ホルモン、ストレス、飲酒、携帯電話の電磁波などの可能性も指摘されていますが、確定できるものはありません。 

医学のうんちく/減少する精子数

原因は肥満と運動不足?

 そんな中、米ハーバード大の研究チームは4年前、男子学生を対象に運動とテレビ視聴の頻度と精子濃度への影響を調査しました。
 それによれば、週15時間以上運動する学生は、週5時間未満しか運動しない学生に比べて精子数が73%多いことが分かりました。一方、週20時間以上テレビを視聴する学生は、ほとんど視聴しない学生に比べて44%少ないことが分かりました。
 これらのことから、同研究チームでは肥満と運動不足が精子の劣化に関連しているという仮説を立てています。 

どうすれば分かる? 

 ところで、精子数はどうすれば分かるのでしょうか?1番確実な方法は、不妊クリニックや病院を受診して調べてもらうことなのですが、男性にとってこれが結構ハードルが高いようです。
 最近では郵送による精液検査や、スマホに付属の拡大鏡を付けて精子の存在や運動率を確認する方法もあるようですが、費用がかかるうえ、完全な代替ではないことをお忘れなく。


医学のうんちく/減少する精子数
医学のうんちく/Y染色体のお話(中)
山形徳洲会病院長
笹川 五十次 (ささがわ・いそじ)
プロフィール
1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。