徹底して山形に密着したフリーペーパー

<荒井幸博のシネマつれづれ> 大杉漣さん

2017年10月13日
名脇役と山形の奇しき縁

 ヤクザ社会の仁義なき抗争を描く北野武監督の「アウトレイジ最終章」が10月7日から公開されている。映画の中で暴力団・花菱会会長を演じているのが大杉漣さんで、名優の面目躍如といった芝居を見せている。

<荒井幸博のシネマつれづれ> 大杉漣さん

 それまで無名だった大杉さんを一躍スターダムに押し上げたのは、1993年公開の北野武監督による「ソナチネ」。この作品での演技が評価され映画やテレビドラマへのオファーが殺到するようになり、強面のヤクザ、お人好しの中年男、政府高官、おかまのママなど幅広く演じる名バイプレーヤーとして20年以上活躍している。

 その大杉さんがナレーションを担当する映画「世界一と言われた映画館―酒田グリーンハウス証言集―」が9日に山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映され、拍手喝采を浴びた。
 グリーンハウスは1976年(昭和51年)10月29日に起きた酒田大火の火元となって焼失したが、上映作品やサービスの質の高さから映画評論家の故・淀川長治さんが「世界一の映画館」と評した話は有名。ただ大火後は人々の話題にのぼらなくなっていた。
 往時のグリーンハウスの支配人だったのが故・佐藤久一さん。奇しき縁で、大杉さんは4年前、地元放送局のラジオドラマで佐藤さん役とナレーターを演じている。

 奇しき縁は重なるもので、酒田大火からちょうど41年目となる29日、酒田港座で「大杉漣バンドライブ&トークショー」が開催され、映画「世界一と言われた映画館」も上映される。
 ちなみに大杉さんは11月に鶴岡まちなかキネマ、フォーラム山形、フォーラム東根で上映予定の佐古忠彦監督「米軍(アメリカ)が最も恐れた男~その名は、カメジロー~」のナレーターも務める。

 「アウトレイジ最終章」を含め、この秋は山形の映画館に大杉漣さんの声が響きわたることになりそうだ。


<荒井幸博のシネマつれづれ> 大杉漣さん
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜夜15時)を担当。