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<荒井幸博のシネマつれづれ> 君の膵臓をたべたい

2017年7月28日
話題小説の実写映画化

 タイトルからは“猟奇的”な内容を想像しがちだが、若い女性を中心に泣ける小説として口コミで広がり、2016年本屋大賞2位などに輝く住野よるの同名ベストセラー小説を月川翔監督が映画化した青春ドラマ。

<荒井幸博のシネマつれづれ> 君の膵臓をたべたい

 高校時代のクラスメート・山内桜良の言葉をきっかけに教師になった「僕」は、蔵書整理を教頭から頼まれ、手伝ってくれる教え子の栗山と話すうちに桜良との思い出をよみがえらせていく。
 12年前、高校時代の「僕」は膵臓(すいぞう)がんを抱える桜良の秘密の闘病日記を偶然見つけたことをきっかけに桜良と急接近、互いに大切な存在になるが、運命は突然、桜良の命を奪い去る。
 桜良の死から12年後、彼女の親友だった恭子もまた、結婚を目前に控えて桜良と過ごした日々を思い起こしていた――。

 先日、高校時代の「僕」を演じた北村匠海さんと桜良役の浜辺美波さんにインタビューする機会に恵まれた。
 「ベストセラー小説の映画化だけにプレッシャーがあった」と異口同音に語る2人だったが、「思い入れを込めて演じられた」(北村さん)、「人気作のヒロインを任せてもらったことが嬉しい」(浜辺さん)といずれもニッコリ。
 そして2人とも「自分の出ている作品は客観的に観れないものですが、この映画は観客としても最初のシーンから引き込まれました。泣けたし、心の底から感動しました」と胸を張る。

 教師役の「僕」を演じたのは小栗旬さん。北村さんは小栗さんが初監督を務めた10年公開の映画「シュアリ―・サムデイ」にも子役で出演しており、尊敬する小栗さんに成長した自分を見せられ嬉しかったという。
 浜辺さんは「原節子さんや司葉子さんのように、しとやかで芯がある大和撫子という表現が似合う女優さんに憧れます」と目を輝かせる。
 2人は19歳と16歳。今後が楽しみな2人の若き日の代表作になることは間違いない感動作。


<荒井幸博のシネマつれづれ> 君の膵臓をたべたい
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜夜15時)を担当。