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<荒井幸博のシネマつれづれ> 伴淳三郎と水谷豊さん

2017年7月14日
38年前の不思議な縁

 「バンジュン」の愛称で親しまれた米沢市出身の喜劇役者・伴淳三郎さんが73歳で亡くなったのは1981年だった。

<荒井幸博のシネマつれづれ> 伴淳三郎と水谷豊さん

 伴さんは14歳で家出同然に上京、職を転々とした後に映画界へ。51年公開の「吃七捕物帖 一番手柄」で〝アジャパー〟という流行語を生みだし人気俳優の仲間入りを果たす。以後「二等兵物語」「駅前」「旅行」などの各シリーズで喜劇役者としての地位を確立したほか、「飢餓海峡」では執念の老刑事役をシリアスに演じた。
 郷土が生んだ偉大な喜劇俳優を顕彰するため米沢市では毎年「伴淳映画祭」を開催している。12回目に当たる今年は9月24日、伝国の杜置賜文化ホールで映画「東京のえくぼ」「つむじ風」などの上映を予定している。

 伴さんと不思議な縁(えにし)で結ばれているのが俳優の水谷豊さん。水谷さんといえば自ら監督・主演した映画「TAP THE LAST SHOW」が公開中で、6月18日に舞台挨拶(あいさつ)で山形市の映画館を訪れた。冒頭の挨拶で水谷さんの口から出た言葉が意外なものだった。
 「山形出身の伴淳三郎さんと38年前、ドラマのロケで山形に来た時、市長から名誉市民の賞状を戴(いただ)きました。来たばかりでまだ何もしていないというのに(笑)」
 調べてみれば、確かに38年前、水谷さん主演のテレビドラマ「熱中時代 刑事編」に伴さんはレギュラー出演、7月に上山市でロケを敢行している。水谷さんの言う賞状は、当時の鈴木啓蔵上山市長から授与された感謝状のことだと判明した。

 伴さんが映画やテレビドラマの山形ロケを数多く誘致し、観光にも大きく貢献していることを水谷さんの挨拶から改めて気づくことができた。水谷さんに再びの感謝状を贈りたい。


<荒井幸博のシネマつれづれ> 伴淳三郎と水谷豊さん
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜夜15時)を担当。