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<荒井幸博のシネマつれづれ> 家族はつらいよ2

2017年5月26日
山田洋次はやっぱり喜劇!

 山田洋次監督が橋爪功、吉行和子、妻夫木聡、蒼井優、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵らで「東京家族」を発表したのが2013年。16年に同じ出演者で撮った喜劇「家族はつらいよ」のヒットを受け、今年、満を持して世に放つ続編。

<荒井幸博のシネマつれづれ> 家族はつらいよ2

 家族全員を巻き込んだ平田周造(橋爪)と妻・富子(吉行)の離婚騒動から数年後。マイカーの運転がささやかな楽しみの周造。高齢者の危険運転を心配する長男夫婦(西村・夏川)は免許証を返上させようと画策するが、頑固な周造の説得は困難を極める。
 そんなある日、富子が海外旅行に出かけたのをいいことに居酒屋の女将(風吹ジュン)を乗せてドライブをしていた周造は、故郷の同級生・吟平(小林稔侍)と40年ぶりに再会する。
 年老いても炎天下で汗まみれで働く独身の吟平を不びんに思った周造は、後日、吟平を誘って酒を酌み交わし、吟平を平田家に泊める。だが翌朝、吟平はベッドで息を引き取っていたから、さあ大変――。

 先日、主演の橋爪さんと妻夫木さんにインタビューしたところ、2人とも異口同音に「実家に帰ってきた気持ち」と感慨深げ。妻夫木さんは「3度も同じ監督、同じキャストで演じたことはなかったので、呼んでもらえたことが嬉しかった」と答えてくれた。
 75歳の橋爪さんに「今でも運転は?」とお聞きすると、「車は好きですから免許証の返上なんて考えられません。ず~と運転します!」と周造そのままの答えだったのには笑ってしまった。

 2人は「東京家族」前年の12年に野田秀樹演出の舞台「エッグ」でも共演しており、お互いの信頼感には揺るぎのないものが感じられた。
 インタビューの最後に2人は声をそろえて「このシリーズが『男はつらいよ』と同様、3、4、5…とシリーズ化できるよう、皆さん映画館に足を運んでください!」と笑顔で呼びかけていた。


<荒井幸博のシネマつれづれ> 家族はつらいよ2
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜夜15時)を担当。