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<荒井幸博のシネマつれづれ>アカデミー賞受賞式

2017年3月10日
前代未聞のミスとLGBT

 3月26日(日本時間27日)に行われた第89回アカデミー賞授賞式で、〝トリ〟を飾る作品賞を間違って発表するという前代未聞のミスが起きた。

<荒井幸博のシネマつれづれ>アカデミー賞受賞式

 プレゼンターのウォーレン・ベイティに間違った封筒が渡されたという単純ミスだったが、ベイティから手渡された封筒から「ラ・ラ・ランド」と読み上げてしまったのはフェイ・ダナウェイ。
 50年前に「俺たちに明日はない」でボニーとクライドを演じた2人が「俺たちにメンツはない」状態になってしまったのは何ともお気の毒ではあった。

 晴れて作品賞を受賞した「ムーンライト」は、貧しくてゲイであるため苛められ続ける黒人少年が苦悩しながらも成長していく物語のLGBT映画。LGBTとはレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字から。
 実はベイティの実子はトランスジェンダー。ベイティ自身「息子は私のヒーロー」と語っているだけに、ステージで「ムーンライト」と高らかに発表させたかった。返す返すも残念なミス。

 現在公開中の荻上直子監督の「彼らが本気で編むときは、」は、生田斗真演じるトランスジェンダーの物語。
 アメリカでの生活が長かったという荻上監督は「LGBTの人は身近にいたが、日本でほとんど出会わないのは声を潜めているからではないか」と感じて映画化に踏み切ったという。


<荒井幸博のシネマつれづれ>アカデミー賞受賞式
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜夜15時)を担当。