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<荒井幸博のシネマつれづれ> ラ・ラ・ランド

2017年2月24日
心も躍る傑作ミュージカル

 第89回アカデミー賞で、史上最多の13部門14ノミネートに並んだラブロマンスミュージカル。

<荒井幸博のシネマつれづれ> ラ・ラ・ランド

 夢を叶(かな)えたい人々が集まる街、ロサンゼルス。女優を志すもオーディションを受けては落ちてばかりのミア(エマ・ストーン)。クリスマスイブの夜、立ち寄ったレストランでピアニストのセバスチャン(ライアン・ゴズリング)と最悪の出会いをする。
 そして後日、とあるパーティでミアは偶然にも80年代ポップスを演奏するセバスチャンと再会する。初めての会話でぶつかりあう2人だったが、歌手を夢見るミアと、好きなジャズを演奏できる店を持ちたいというセバスチャンは互いに惹かれ合い、次第に恋に落ちていく。2人の恋は成就するのか? それぞれの夢は叶うのか?――。

 ストーンとゴズリングは3度目の共演で息の合った演技、そしてダンスを見せてくれる。それはフレッド・アステアやジーン・ケリー、シド・チャリシー、レスリー・キャロンらが躍動した50年代のハリウッド・ミュージカル全盛期を彷彿させる。特にゴズリングには「曲者(くせもの)俳優」というイメージを持っていただけに、唄って踊って、ピアノを演奏する才能もあったとは驚きだった。
 「セッション」でハリウッドに大旋風を巻き起こした31歳の若きデイミアン・チャゼル監督は脚本も手掛け感動のラストに至るまで秀逸。音楽も素晴らしいが、担当したジャスティン・ハーウィッツは監督とハーバード大学時代から卒業制作で協働した仲。

 タイトルの「ラ・ラ・ランド」とは舞台になったカリフォルニア州ロサンゼルスの俗称だが、本作では「夢のような世界」「おとぎの国」という意味も込められているとか。
 文字通り、48カ所で撮影したロサンゼルスへの愛にあふれ、夢に向かっている全ての人の背中を押してくれるような心躍る映画。
 2月26日の授賞式が楽しみ!


<荒井幸博のシネマつれづれ> ラ・ラ・ランド
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜夜15時)を担当。