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<荒井幸博のシネマつれづれ> 邦画この1年

2016年12月23日
ヒット作、話題作、秀作

 2016年の邦画は興行収入205億円を突破した「君の名は。」が話題を独占した感が強いが、他にも多様なヒット作が生まれた。

<荒井幸博のシネマつれづれ> 邦画この1年

 人気シリーズ待望の新作「シン・ゴジラ」が予想を上回る大ヒットを記録したほか、シリアスなテーマで豪華キャストが躍動した「64-ロクヨン-」「怒り」も大きな話題を呼んだ。
 現代の世相を映すかのように「秘密 THE TOP SECRET」「ヒメアノ~ル」「クリーピー偽りの隣人」「葛城事件」などのサイコ・スリラーが畳みかけるように公開された。
 「淵に立つ」「リップヴァンウィンクルの花嫁」「団地」「海よりもまだ深く」「永い言い訳」「ピンクとグレー」などの低予算ながら秀逸な作品も多く並んだ。

 低予算といえば「湯を沸かすほどの熱い愛」は感動の秀作。テレビ界の巨匠が監督した「人生の約束」「後妻業の女」も話題を呼んだ。
 時代劇「殿、利息でござる!」「超高速!参勤交代リターンズ」はいずれも東北が舞台で、ともに鶴岡市のスタジオセディック庄内オープンセットがロケ地。両作品のヒットは嬉しいかぎり。

 16年は菅田将暉、広瀬すず、小松菜奈、土屋太鳳、山﨑賢人ら若手俳優の活躍が目立ち、中でも「溺れるナイフ」「二重生活」など出演作が9本公開された菅田将暉の進境は著しい。ちなみに「二重生活」の岸善幸監督は最上町の出身。
 また村山市出身79歳の村川透監督が「さらば あぶない刑事」をヒットさせて健在ぶりを示し、真室川町出身のスタイリスト荒木里江さんが「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」「世界から猫が消えたなら」の衣装を担当した。    
     
 また「君の名は。」だけでなく「聲の形」「この世界の片隅に」とアニメの秀作が並び、特に「この世界の片隅に」は心から出会えてよかったと思える映画だった。


<荒井幸博のシネマつれづれ> 邦画この1年
荒井幸博(あらい・ゆきひろ)

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜夜15時)を担当。