「さとみの漬物講座企業組合」理事長 新関さとみ氏
義母の漬物が契機
──漬物の達人と伺っています。
「子供のころから母親の漬物が食卓に並んでいました。おいしいと思って育ってきたんですが、カルチャーショックを受けたのが嫁いできて、義理の母の漬物を口にした時。同じ漬物でも実母のよりはるかにおいしい。『なんで? どうして?』って、ただただ驚きでしたね」
「後で知ったのですが、義母って近所でも有名な漬物名人。長年の経験で培ってきた義母の味を吸収するのには苦労しました。だって天気や気温、湿度とかによって微妙に漬け方が違ってくる。義母は感覚でわかっているんですが、そのあたりの間合いというか、呼吸というか……」
家庭の味は嫁が継ぐ
――宮本武蔵の剣の修行みたい(笑)。で、会得したわけだ。
「実母だと甘えが出てダメだったんでしょうね、でも義母の言うことは遠慮があるから最後までちゃんと聞く。そうしてコツを一つひとつ覚えていきました。結局、漬物に限らず、その家の味は嫁が継ぐようにできているんですよね」
漬物の普及に奔走
――「さとみの漬物講座企業組合」って?
「義母には、せっかくの知識とか技術なんだから大勢の人に広めるよう勧めたのですが、前には出たがらない。それじゃあ私が代わりにと思い、義母や義母の姉、それと実母を誘って4人で企業組合を立ち上げました。具体的な活動内容は県内外での漬物販売や出前講座などです」
「産直場などで販売していると、年配の人からも『これってどうやって作るの?』とか聞かれます。身近で家庭の味のはずの漬物が、意外に知られていない。でも料理も漬物も家庭で作って欲しい。それを通じて県産野菜の生産、消費が拡大していけばと思います」
――おいしい漬物を作るコツを教えてください。
やはり素材が命
「一に素材で、素材が命といってもいい。組合で販売しているものはなるべく契約栽培の野菜を使っています。あと基本は塩。これで野菜のうまみをキリっと引き締めます。そのうえで今風の漬物のタレで漬け込む。基本は簡単で、誰でも、どこの家庭でも作れます」
「野菜ならなんでもオーケー。創作で『ゴーヤのカレー漬け』なんかも作ってみましたが、結構おいしかった」
――そういうの、うちの新聞で連載してよ。
「前向きに考えておきます(笑)」
