徹底して山形に密着したフリーペーパー

作家 深町 秋生さん

2014年7月25日
深町 秋生(ふかまち・あきお) 1975年(昭和50年)南陽市生まれ。山形中央高から専修大経済学部に進み、卒業後の99年協同薬品工業(長井市)入社。会社勤めの傍ら山形新聞の「山新文学賞」への投稿を続け、2004年「果てしなき渇き」で第3回「このミステリーがすごい!」大賞受賞。同作は50万部突破のベストセラーになり、中島哲也監督により「渇き。」のタイトルで映画化され現在公開中。08年協同薬品を退社して専業作家になり、「組織犯罪対策課八神瑛子シリーズ」は累計40万部を突破。山辺町在住、38歳。
作家 深町 秋生さん

豪華俳優陣が自分の作品に
   「ドッキリ」かと思いました

――昔から作家志望?

会社員時代に大賞受賞

 「目覚めたのは会社に入った23歳の時でしたね。最初に投稿した山新文学賞で佳作に選ばれ、審査員だった(文芸評論家の)池上冬樹先生に誘われて『小説家になろう講座』に出入りするようになって」
 「日中は会社で働いて、帰って夜に執筆するという生活でした。執筆作業そのものは楽しいわけじゃないから、疲れるし、ストレスがたまりましたね」
 「それでちょっと精神を病んで、医者から処方された抗うつ剤を飲みながら書き上げたのが『果てしなき渇き』でした」
――大賞をとって会社は大騒ぎだったろうな。

独立後2年は食えず

 「4年後に33歳で辞めました。いい会社で周りの人もよくしてくれたけど、やっぱり会社勤めは合わなかったし、何より執筆に専念したかった」
――食べていける自信はあったんですか?
 「ありませんでした(笑)。でも下世話な話だけど、大賞賞金と印税で貯金が2000万円ほどあったんですよ。それだけあれば7~8年は暮らせるかなと。どうせ人生1回しかないんだし」
 「案の定、2年間は食えませんでした(笑)。ひと息つけるようになったのは2010年に出した『ダブル』と11年から始めた『八神瑛子シリーズ』からですかね」

作品が映画とドラマに

――今年は「渇き。」が映画化され、来月には八神瑛子シリーズの「アウトバーン」もフジ系列でドラマ化されるとか。
 「おかげさまで。キャストは『渇き。』が役所広司さん、妻夫木聡さん、オダギリジョーさん、『アウトバーン』は米倉涼子さんに岩下志麻さん…。もう、信じられない豪華な顔ぶれで、最初聞いた時は『ドッキリカメラじゃないの?』と思ったぐらい(苦笑)」
――もう安泰?
 「とてもとても。棋士と同じで賞レースが続きます。大藪春彦賞、吉川英治新人賞、山本周五郎賞、本屋大賞、直木賞…」
 「本が売れない時代なので賞を取って常に注目されていないと。そのためには質の高い作品を発表し続けなきゃで、毎日がプレッシャーとの闘いです」

「因果な商売です」

――最後に、これから作家を目指す人たちへ。
 「う~ん…。やめといた方がいいんじゃないですかね(苦笑)」
――……(苦笑)
 「だって当たり外れはあるわ、ストレスはたまるわで、因果な商売ですもん」