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続・レトロやまがた再発見/(55)吉亭 (よしてい)(米沢市)

2014年6月27日
 米沢城跡界隈から旧会津街道を南に歩いていくと、ほどなく2階建ての母屋を中心とした重厚な趣の屋敷が見えてきます。ここはその昔、「津の国屋吉貞」という米沢織の織元でしたが、平成に入ってから米沢牛や懐石料理の日本料理店になりました。
続・レトロやまがた再発見/(55)吉亭 (よしてい)(米沢市)

 母屋は大正8年の建造で、北土蔵、南土蔵、正門とともに平成14年に国の登録文化財となりました。また旧街道と駐車場に面した黒塀は近年、米沢市景観賞を受賞しています。 
      
 置賜地方には生糸産業の栄華をとどめる巨大な繭蔵が随所にあり、ここの北土蔵にも大規模な絹織物の織元としての繁栄が偲ばれます。母屋の南側と北側には江戸末期にしつらえられた庭園があり、四季ごとの彩りは見事。特に母屋の広縁からながめる豪壮な北土蔵は上部が白亜の漆喰、下部がなまこ壁で、庭園と絶妙なコントラストです。

続・レトロやまがた再発見/(55)吉亭 (よしてい)(米沢市)

 吉亭はかつての織元の情緒を残しながら、多様な米沢の食文化を伝えるとともに、城下町・米沢らしい景観が広く市民や観光客にも潤いを与えてくれています。

山形歴史たてもの研究会
小林 和彦