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続・レトロやまがた再発見/(48)旧肘折郵便局(最上郡大蔵村)

2013年10月25日
 戦前、県内各地では洋風の郵便局舎が相次いで建造されました。多くが総2階建てで規模は似通っていますが、それぞれ外観に独自の個性が感じられるのが興味深いところです。
続・レトロやまがた再発見/(48)旧肘折郵便局(最上郡大蔵村)

 奥羽の秘湯として全国に知られる肘折温泉にある旧肘折郵便局もそのひとつ。昭和12年に建てられ、平成7年に局舎が移転するまで郵便局として地元で親しまれていました。

 肘折地区は日本有数の豪雪地帯。そのため、この洋風局舎も雪国対応の伝来工法を加味して頑丈に造られているのが特徴です。外観の大きな特色として窓の格子は郵便局らしい「〒」マークで表現されています。昭和46年までは正面の2階屋根部分に破風状の小屋根がついていましたが、その後は全体が切妻屋根になりました。

続・レトロやまがた再発見/(48)旧肘折郵便局(最上郡大蔵村)
 現在でも玄関の脇には昔ながらのずん胴型の赤いポストが立ち、近くの温泉旅館で働く人や遠来の宿泊客が郵便物を投函しています。見学できるのは外観だけですが、地元と東北芸術工科大学の学生らの協働により、毎年夏に開かれる絵燈籠祭り「ひじおりの灯」の時などに開館されています。

山形歴史たてもの研究会
小林 和彦