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医学のうんちく/持続勃起症

2012年12月14日
 11月23日号の交流広場で読者の方から「知人の男性は射精後も勃起(ぼっき)したままで…」というご相談をいただきました。

勃起が4時間以上も!

 ご相談の症状は「持続性勃起」が疑われます。通常ですと性的興奮が脳の勃起中枢に働き、血液が陰茎(いんけい)内の海綿体に流れ込んで勃起します。性的興奮が鎮まると海綿体から血液が引いて勃起は治まりますが、性的興奮に関係なく4時間以上勃起するのが持続性勃起です。

医学のうんちく/持続勃起症

静脈性と動脈性

 持続勃起には陰茎海綿体に流れ込んだ血液の戻りが悪く虚血状態になる静脈性と、海綿体の動脈が破れて血液が常に流入する動脈性があります。 
 静脈性の原因の多くは海綿体注射やバイアグラの服用などED(勃起不全)治療で使われた薬物が関係しています。また骨盤の血腫(けっしゅ)や腫瘍(しゅよう)、脊髄(せきずい)損傷、尿路感染、血液凝固、白血病などが原因の場合もあります。
 
静脈性なら緊急治療

 静脈性は痛みを伴う硬い勃起です。海綿体の血液の入れ替えができないため発症から6時間で海綿体組織の壊死(えし)が始まります。このため緊急治療が必要で、海綿体に針を刺して血液を吸引し、血管収縮薬を注入します。
 それでも効果がない時は亀頭から海綿体にメスを入れ、海綿体の血液を亀頭に逃がして血液循環を改善させます。
 
動脈性なら緊急性なし
 
 動脈性は痛みを伴わず硬さもそれほどではありません。海綿体内の血液循環は保たれているので緊急治療の必要はなく、陰茎の圧迫や冷却、止血剤の投与で十分です。原因は陰茎打撲や会陰部打撲がほとんどです。
 
男はつらいよ

 4時間以内の勃起なら特に害はありません。ただ何らかの疾患がある場合もあり、一度専門医に相談されてはどうでしょう。勃起しないのも困りますが、勃起しすぎるのも考えものですね。


医学のうんちく/持続勃起症
医学のうんちく/Y染色体のお話(中)
山形徳洲会病院長
笹川 五十次 (ささがわ・いそじ)
プロフィール
1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業。95年からHawaii州立大学医学部で「雄性細胞の核移植(不妊治療)」について研究。02年に「男子外性器異常の発症における分子生物学的解析」で「とやま賞」受賞。04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。