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続・レトロやまがた再発見/(34)丸大扇屋(長井市)

2012年8月24日
 全国いたるところが開発され尽くした感のある日本。農山村などに出かければ「日本の原風景」のようなところもまだ残っていますが、日本らしい「町場の原風景」を感じさせてくれるスポットは稀。でも丸大扇屋の建物は丸ごとそれを感じることができます。
続・レトロやまがた再発見/(34)丸大扇屋(長井市)

 通りに面した店屋の部分には連子格子の広い横幅の窓と屋号・家紋が記された大きな暖簾、上半分に障子が貼られた数枚の引戸、瓦屋根、小間屋門。土蔵の屋根の突端に張り出した鳥止り。座敷蔵を含む白壁の土蔵群。囲炉裏のある重厚な茅葺の母屋。緑したたる内庭。そして近代和風を特色づける和風のガラス窓・・・。
 これほどまでに「和」の形態を連ねた屋敷構えの景観は県内でもきわめて稀です。しかも天保年間から大正初期までの各年代の建物を見ることができます。

続・レトロやまがた再発見/(34)丸大扇屋(長井市)

 丸大扇屋は寛永年間に創業され、京阪方面との取引、明治以降は長井紬の生産と販売などで栄えました。現在は南隣の長沼孝三彫塑館、小桜館(前号参照)とともに「文教の杜」の一施設になっています。

山形歴史たてもの研究会
小林 和彦