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ドクター松本の医食同源/(3)メタボとお酒

2008年5月9日
 食生活のなかで、食事のメニューと同時に注意が必要なものとして飲酒があります。今回は「お酒とどう付き合うか」というお話です。
ドクター松本の医食同源/(3)メタボとお酒

酒は百薬の長?

 昔から「酒は百薬の長」と言われてきましたが、本当でしょうか。生活習慣病に対してどんな影響があるのでしょうか。
 まず糖尿病に対してですが、「アルコール」→「高カロリー」→「血糖値上昇」と連想しがちですが、これは正しくありません。
 アルコールは血糖のもとであるブドウ糖に変化しませんので、直接血糖値が上がることはありません。むしろ血糖降下薬やインシュリン(インスリン)で治療している糖尿 病患者さんの場合、低血糖を生じることがあり、注意が必要です。
 やせ型の日本人男性の場合、飲酒がすい臓のインシュリン分泌を悪化させ、糖尿病の発症率を増やすこともわかっています。

肝疾患に至るケースも

 次に高血圧ですが、飲酒で血圧が上昇し、脳卒中(特に脳出血)の頻度が飲酒しない人に比べて約1.6倍 高くなることが分かっています。さらに血液中の中性脂肪を高め、高脂血症を引き起こしたり、尿酸値を上昇させ痛風を誘発することもあります。
 その他、アルコール性脂肪肝、アルコール性肝硬変など重い肝疾患に至り、命に関ることもあります。以上多くの場合、飲酒は体に悪影響を及ぼすことが多いのが事実です。

ドクター松本の医食同源/(3)メタボとお酒

望ましいのは「適量」

 それでは、「百薬の長」どころか「百害あって一利なし」かと言うと、これが悩ましい(笑)。脳の血管がつまる脳梗塞や心臓の血管がつまる心筋梗塞などの発症率は、飲酒の習慣のない人と比べるとむしろ減るのです。
 これは血管のつまりを改善するHDL(善玉)コレステロールが飲酒によって増えるからと言われています。ただ、この効果が期待できるのは日本酒で1〜2合以下、ビールで大瓶1本 以下程度ですので、飲みすぎはやはりよくありません。

休肝日を設けましょう

 またアルコールの影響は体に入った量で決まりますので、アルコール飲料の種類にはあまり関係はありません。
 このほか、飲酒の時の注意事項として(1)タンパク質や糖質も摂りながら飲む(2)アルコール以外の水分補給をしっかり摂る(3)週2回は飲まない日、いわゆる「休肝日」を設ける――などが肝要です。


ドクター松本の医食同源/(3)メタボとお酒
松本 光生(まつもと・みつお)
1985年(昭和60年)山形大学医学部卒業。山形大学医学部第三内科、県立新庄病院、県立中央病医院を経て2007年5月に松本内科クリニックを開業。日本糖尿病学会認定糖尿病専門医、日本内分泌学会認定内分泌代謝科専門医。