徹底して山形に密着したフリーペーパー

続・レトロやまがた再発見/(33)旧西置賜郡役所「小桜館」(長井市)

2012年8月10日
 この西洋式の建造物が「小桜館」と名付けられているのは、平安時代から戦国時代にかけて「小桜城」という城があったことに由来します。
続・レトロやまがた再発見/(33)旧西置賜郡役所「小桜館」(長井市)
 小桜城は伊達政宗の幼少期から仕えた片倉小十郎景綱の居城であったとも伝えられています。蒲生氏郷の置賜入部の際に廃城となりましたが、明治11年になって城跡に建てられたのが西置賜郡役所。小桜城はまさに新時代を象徴する建造物として装いも新たに蘇ったわけです。
 現存する県内の擬洋風建築の郡役所としては最古であるだけでなく、全国でも2番目に古いようです。建物は木造の1部2階建て。壁面は横長の板を重ねて張り込んだ下見板張形式で、1階と2階の正面には色ガラスをはめ込んだ「ファンライト」という扇型の窓を配置するなど、各所に洋式のデザインが見られ明治の息吹を感じさせます。
続・レトロやまがた再発見/(33)旧西置賜郡役所「小桜館」(長井市)

 平成8年に長井市の文化財に指定され、平成22年に改修と1部復原工事がなされています。現在は近くの丸太扇屋(元の呉服商)、長沼孝三彫塑館とともに財団法人「文教の杜ながい」の1施設として広く市民の会合や音楽練習の場などに利用されています。

山形歴史たてもの研究会
小林 和彦