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続・レトロやまがた再発見/(28)蔵王のヒュッテ・ヤレン

2012年1月24日
 「発電所を建設して出来た電気はみんな大都会に持って行く、地元は先祖代々共に暮らして来た水を利用しておこした電気であるに拘(かかわ)らず何の恩恵にも浴さない。現在でも電源地帯で、昔乍(なが)らの石油ランプを唯一の灯火(ともしび)としている村落は数多(あまた)ある」
続・レトロやまがた再発見/(28)蔵王のヒュッテ・ヤレン

 まるで今回の原発事故の悲劇の本質を喝破(かっぱ)しているような文章は昭和27年、ある雑誌に掲載されたものです。寄稿したのは写真の山荘を蔵王に建てた人物で、夫人の正子さんとともに高名な白洲次郎氏です。
 白洲氏は昭和26年から34年まで東北電力会長を務め、サンフランシスコ講和会議の全権団顧問となり平和条約調印にも臨んでいます。 
 「ヤレン」とは白洲氏が「スキーとはなかなかひゅうっとやれんものだ」と語ったことからドイツ語風に名づけられたとか。ここにも彼の型破りな性格が表れています。

続・レトロやまがた再発見/(28)蔵王のヒュッテ・ヤレン
 現在、内部は見学できませんが、蔵王の新たな観光資源として期待されており、2月26日に内部見学会と保存・活用をめざすトークイベントが開かれます。


山形歴史たてもの研究会 小林 和彦 さん