医学のうんちく/男と女のお話(下)
インターセックスとは
具体的には、遺伝子的には男性なのに陰核(クリトリス)が肥大している、尿道が陰茎の先端ではなく下にある(尿道下裂)、あるいは遺伝子的には女性なのに膣がない――などで、その病態は70種類以上あるといわれています。インターセックスの子どもが生まれる確率は約2000人に1人ですが、非典型的なものを入れると約200人に1人とされています。
原因は環境ホルモンか
原因は明らかにされていませんが、人間以外ではダイオキシンなどの内分泌かく乱物質(環境ホルモン)が原因のひとつに挙げられています。環境ホルモンは体内で特定のホルモンとだけ結合するホルモン受容体に結合し、典型的な器官形成を阻害します。
魚類、は虫類、鳥類などでは生殖機能異常、生殖行動異常、雄の雌性化などの生殖毒性が多く報告されており、1980年代後半に英国の河川で発見された雌雄同体のコイ科の魚(ローチ)を調べたところ、ノニルフェノールという環境ホルモンが関与していました。
尿道下裂が2倍に
人間の場合ですが、97年に米国疾病予防管理センターの研究チームが過去20年間で尿道下裂が2倍になっていることを報告しており、やはり環境ホルモンの影響が疑われています。
性同一性障害者の脳
95年にオランダのスワーブ博士らが女性に性転換した男性6人の死後脳を調査したところ、性行動と関係が深い神経核の大きさが典型的な男性のものより小さく、女性とほぼ等しいことを発見しました。
つまり身体的性別とは異なる性別への脳の性分化が示唆されたわけで、性同一性障害もインターセックスの一種と考えることができます。
1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業。95年からHawaii州立大学医学部で「雄性細胞の核移植(不妊治療)」について研究。02年に「男子外性器異常の発症における分子生物学的解析」で「とやま賞」受賞。04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。


