男性更年期障害(4)
EDの診断は
EDかどうかを診断するのによく使われるのがIIEF5です(表1)。
この問診表は25点満点で、21点以下だとEDの可能性が高いとされます。男性の皆さん、恥ずかしがらずに家庭で、職場で記入してみてください。
このほか、性欲低下の原因を調べるため血液中の男性ホルモンの量を調べる方法もあります。腎臓病や糖尿病などが疑われる場合は尿検査や血液検査を行うこともあります。
EDの治療は
身体に傷をつけない治療と(非侵襲的治療)と、身体に傷をつける治療(侵襲的治療)に分けることができます(表2)。
非侵襲的治療の代表的なものが心理療法やカウンセリングで、ストレスや過去の性行為の失敗に起因する心因性EDに対して効果を認めることがあります。
陰圧式勃起補助具は、円形の筒に陰茎を挿入して血液を貯留することで勃起を促進します。
薬物療法には男性ホルモンの減少によるEDに対する男性ホルモン補充療法があります。ただ大半はPDE5( フォスフォジエステラーゼ5)型阻害剤が用いられ、一般にED治療薬と呼ばれているのはPDE5型阻害剤のことです。
PDE5型阻害剤とは
PDE5型阻害剤は陰茎の海綿体平滑筋を弛緩させ、血液が海綿体に流れ込みやすくすることで勃起を引き起こします。
日本では1999 年に「バイアグラ」が初めて認可されました。その後2004年に「レビトラ」、07年に「シアリス」が認可されています。発売以来、EDの画期的な治療薬として現在に至っています。
これらには習慣性や依存性は認められていません。よく間違えられますが、催淫作用や精力増進作用はありません。3 剤ともに性行為の約1 時間前に内服し、効果の持続時間はバイアグラやレビトラでは約4時間、シアリスに至っては約36時間で、このことから「ウィークエンドピル」とも呼ばれています。
食事の影響はバイアグラで若干認められますが、レビトラやシアリスでは認められません。狭心症の発作の治療薬であるニトログリセリンと併用しなければ安全に使用できる薬です。ただ副作用として血管の拡張に伴う軽い頭痛、顔面のほてりや鼻閉などがあります。
最近、中国からの偽造品やインドからの未承認ジェネリック薬品が日本に正規のルートを介さずに流入しています。これらは廉価ですが、安全性が確認されていませんので、必ず医師の処方を受けた正規のPDE5型阻害剤の内服をお勧めします。
侵襲的治療法も
これらが非侵襲的治療ですが、侵襲的治療としてはまず陰茎海綿体注射療法があります。陰茎海綿体に直接注射をして勃起を促進する治療で、海外のほとんどの国では自己注射が承認されていますが、日本では認可されていません。
手術による治療として陰茎内にシリコンの芯棒を入れるプロステーシス(人工陰茎)や、陰茎の血管に異常がある場合に行う血管手術があります。
1982年(昭和57年) 富山医科薬科大学(現富山大学) 医学部卒業。86年、同大大学院医学研究科終了、医学博士号取得。山形大学医学部泌尿器科講師などを経て、95年にハワイ大学医学部生殖生物学教室に留学 。04年に山形徳洲会病院副院長、08年から院長を務める。
