タカミヤホテルグループ会長 岡崎 彌平治 氏
アジアに向け 蔵王の魅力を発信したい
──高見屋旅館は今年が創業290年周年とうかがいました。
暴れん坊将軍の時代から
「江戸時代の享保元年の創業です。人気テレビ番組『暴れん坊将軍』で有名な徳川8代将軍、吉宗の時代ですね(笑)。節目の年ということもあり、周囲に誘われるまま290年の歴史をつづった『蔵王よもやま話』を上梓することになりました。サブタイトルは『高見屋会長・岡崎彌平治氏の昔話を訪ねれば蔵王の歴史が蘇る』です」
「蔵王温泉の開湯は西暦110年で、日本武尊の東征に従った吉備多賀由が発見した日本最古の温泉地のひとつ。発見者の名前をとって当初は多賀由温泉と呼ばれ、その後に高湯温泉と改め、さらに蔵王温泉に変わって現在に至っています」
──長い歴史を誇る蔵王温泉の老舗旅館として業界をリードし、昨年春の褒章では黄綬褒章、今年11月には三浦記念賞も受賞されましたね。
「社長である息子(重彌氏)たちの世代に繰り返し説いていることなのですが、人間は一人では生きていけない。旅館も同じです。一つの旅館だけが繁栄することなどあり得ず、旅館全体や商店街などが一体になって蔵王を盛り上げていくことが重要です」
蔵王の自然・歴史を継承
「蔵王の自然と歴史を後世にきちんと残したい。明治天皇の行在所だった施設を移築して歴史と文化の美術館『わらべの里』に再生したり、他社が手放した施設を『ルーセント』『ハモンド』としてオープンさせたのも、この思いからでした」
──この1年は特に多角化が目立ちました。
「湯野浜の県信用金庫協会の保養所と、蔵王にあった防衛庁の保養所を取得して新施設をオープンしました。現在の施設数は合計で6。多様化するお客様のニーズに対応するのが狙いです」
──海外からの観光客誘致、いわゆる「インバウンド」にも熱心ですね。
「インバウンドを意識し始めたのは4年前です。蔵王温泉のスキー客は年間30万〜40万人と、ピーク時の4分の1まで減少してます。これを補うため韓国からの誘客に力を入れています。韓国には本格的なスキー場がないんですよ」
「温泉ブームに沸く台湾もターゲット。台湾の名門ホテルと提携したのもこの一環です。行政とも連携しながら、アジア向けに蔵王の魅力を発信していきたい」
