太平興業・第一貨物社長 山形三菱自動車販売会長 武藤 幸規 氏
山形三菱、
ゼロから再建──
──お久しぶりです。
「新聞見てますよ」
定説の「大名の末裔」
──武藤さん、世が世ならお殿様なんですよね。
「戦国時代、鶴岡市にあった尾浦城(大浦城)を拠点に庄内地方を統一した武藤家の末裔(まつえい)と言われていますが、自分では全く認識がありません。現在、城跡は大山公園として整備されていますが、公園内の石碑は父(注・幸雄氏)が建立しました」
「鶴岡市の黒川地区に伝わる国指定重要無形文化財『黒川能』は尾浦城主だった武藤家が京都から演能者を連れて来て伝えたのが始まりとか。このほかにも黒川の春日神社や椙尾(すぎお)神社を造営するなど、今で言う地域貢献には功績を残したらしいです」
頼まれると断れず
──そんな高貴な血を引く大富豪なのに、気軽に取材に応じてくれるし、遊んでくれたりするから好きです(笑)
「頼まれると断れない性格だから(笑)。あと自慢じゃないけど仲間や、趣味の引き出しは多いと思う。でないと大勢の従業員や経営課題なんかを抱えて、ストレスでやってられませんよ。最近凝ってるのがカクテルで、アステカ(注・マンゴーとテキーラのカクテル)で一日の疲れを癒(いや)してます」
買収、自然な流れで
──麻雀で「武藤サンの長考」は有名ですが、山形三菱を買収した時はどうでしたか?
「山形三菱のオーナー家とは父の代からのつながりがありました。太平興業と同じ三菱自動車系列だし、私が経営を引き継ぐのが自然だと勧められて決めました。銀行を通じて最初に話があったのは2月。最終的に決断したのは5月でした」
「安く買った(注・2億円)という陰口も耳に入ってきますが、それは実態を知らないから。買収というより新たに資金を投じてゼロから始めるという認識でいます。幸い、優れた社員と長年培ってきた信用は温存されている。この経営資源をいかしながら再建につなげていきたい」
──燃料代が上がって第一貨物も大変でしょう。
「トラック会社も今は経営をどう近代化するかがカギ。物流の外部委託の流れが加速する中で、情報化投資などを進めていかないと生き残りは難しくなっています」
山形は精神的ルーツ
──山形に来られる頻度はどれぐらいですか?
「1カ月の3分の1くらいかな」
――東京生まれの東京育ちの武藤さんにとって山形の存在って?
「精神的ルーツですね」
