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朝日相扶製作所(朝日町) 社長 阿部 佳孝 氏

2008年11月28日
阿部 佳孝(あべ・よしたか) 1972年(昭和47年)千葉県市川市出身。95年に東洋大学経営学部卒業後、スチール家具メーカーの岡村製作所入社。2001年、祖父・阿部宗一郎氏が1970年に創業した家具メーカーの朝日相扶に転じ、02年から営業本部係長。05年、急逝した渡辺宏一前社長の後を引き継ぎ社長に。36歳。
朝日相扶製作所(朝日町) 社長 阿部 佳孝 氏

技術力で高級家具
   目指すは世界一の黒子

——ずいぶん若い社長さんで驚きました。
 
33歳で社長就任

 「就任したのは33歳だった3年前ですが、私自身が青天のヘキレキでした。入社したのがその4年前で、肩書きだって係長。『いつかはやんなきゃかな』とは覚悟してましたけど、実際に祖父の会長から『お前、できるか』と聞かれた時は頭が真っ白になった(苦笑)」
 「迷いましたが、大学で経営学を専攻していたこともあり、若いうちから経営に携われるのはチャンスなのかな、と。若さを武器にすれば道は開けるかもしれないと考えて引き受けることに決めました」

——「朝日相扶」ってちょっと変わった社名ですね。
 
社名の由来「相互扶助」

 「今でもそうですが、朝日町は農業の町で、農閑期の冬になると多くの人が出稼ぎに行ってしまう。町内に産業を興して少しでも出稼ぎ人口を減らしたいと考えた祖父が創業したのが1970年。『相扶』は『相互扶助』が由来です」
 「当初はイスのカバーの縫製を手がけていましたが、次第に木工製品にシフトするようになり、技術力を磨いていって県外や海外に販路を広げてきたのが当社の歴史です。売り先は国内外約80社の家具メーカーです」
 
国内外80社にOEM

——え!? 朝日相扶って家具メーカーでしょ、家具メーカーが家具メーカーに売るんですか?

 「当社は100%がOEM(相手先ブランドによる生産)で、表面には出ない黒子役に徹しています。でも技術力に自信があるので『下請け』という意識はない。社内では自社製品を『ネームレスブランド』と呼んで誇りを持っています」
 
イタリア高級ブランドも

——作ってるのは5万円のイスとか、30万円のソファとかの高級品でしょ。具体的な売り先って?

 「イタリアの○○○とか×××とか」

——ゲ〜! それって誰でも知ってる高級家具じゃん! このインタビューで公開したらマズい?

 「マズいです」

——イタリアにまでバレないって。

 「ダメですって(苦笑)」
 
原点忘れず地域貢献

——残念〜。でも都会の若者も憧れる高級家具が朝日町で作られてるなんてビックリ。

 「千葉で育ったので7年前に初めて朝日町に来た当初は言葉とか生活習慣の違いなどで戸惑いもありましたが、慣れました。技術力をさらに磨きながら『相互扶助』の原点を忘れずに地域に貢献していきたいですね」